(開示の請求をすることができる者)

49‐1 法第49条第1項の規定による開示の請求をすることができる者は、相続若しくは遺贈又は相続時精算課税の適用を受ける財産を特定贈与者である被相続人からの贈与により取得した者であるが、次に掲げる者も開示の請求ができるのであるから留意する。
(1) 相続税の申告書を提出すべき者が当該申告書の提出前に死亡した場合において、通則法第5条の規定により相続税の納付義務を承継した者
(2) 法第21条の17第1項又は第21条の18第1項の規定により相続時精算課税の適用に伴う権利義務を承継した者

(申告書の提出期限前に決定した場合等の延滞税)

51‐1 法第35条第2項の規定により、期限内申告書の提出期限前に課税価格及び相続税額若しくは贈与税額を決定した場合における当該相続税額若しくは贈与税額又は当該決定に係る相続税額若しくは贈与税額について修正申告書の提出があった場合における当該修正申告書の提出によって増加することとなった相続税額若しくは贈与税額に対する延滞税の額は、法第33条に規定する納期限の翌日を起算日として計算するのであるから留意する。したがって、法第33条に規定する納期限前に、当該決定に係る相続税額若しくは贈与税額を徴収した場合又は当該納期限前に当該決定に係る相続税額若しくは贈与税額について修正申告書の提出があった場合には、延滞税の徴収又は納付を要しないのであるから留意する。

(法施行地に住所及び居所を有しなくなる者の延滞税の額の計算の起算日)

51‐2 法施行地に住所又は居所を有し、かつ、期限内申告書の提出義務がある者が、通則法第117条第2項の規定による納税管理人の届出をしないで、法施行地に住所及び居所を有しないこととなる場合において、当該住所及び居所を有しないこととなる日までに相続税若しくは贈与税の申告書を提出しなかったとき又は相続税若しくは贈与税の納付をしなかったときの延滞税の額の計算の起算日は、住所及び居所を有しないこととなるために提出すべき当該申告書の提出期限の翌日であるから留意する。

(保険金請求権等の買取りに係る買取額の支払いを受けたことにより申告があった場合の延滞税)

51‐3 法第51条第2項の延滞税の額の計算の基礎となるべき日数の計算の規定は、相続税の申告書の提出期限後において、保険業法第270条の6の10第3項に規定する「買取額」の支払いを受けたため当該支払いを受けた買取額を基礎として申告書の提出があった場合又は税務署長において更正若しくは決定をした場合において、当該申告書の提出により納付すべき相続税額又は更正若しくは決定に係る相続税の延滞税の額の計算の基礎となるべき日数の計算について準用することに取り扱うものとする。この場合において、法第51条第2項の規定中「第32条第1項第1号から第6号までに規定する事由」とあるのは「当該支払いを受けた事由」と読み替えて取り扱うものとする。

(贈与税の期限後申告の特則等により申告があった場合の延滞税)

51‐4 法第51条第2項の延滞税の額の計算の基礎となるべき日数の計算の規定は、相続税の申告書の提出期限後において、法第30条第2項若しくは第31条第4項の規定により贈与税の期限後申告書若しくは修正申告書の提出があった場合、又は法第35条第4項の規定により税務署長において更正若しくは決定をした場合において、当該申告書の提出により納付すべき贈与税額又は更正若しくは決定に係る贈与税の延滞税の額の計算の基礎となるべき日数の計算について準用することに取り扱うものとする。この場合において、法第51条第2項の規定中「相続税」とあるのは「贈与税」と、「相続又は遺贈により財産を取得した者」とあるのは「贈与により財産を取得した者」と、「次に掲げる事由」とあるのは「次のハに掲げる事由」と、「納付すべき相続税額」とあるのは「納付すべき贈与税額」と読み替えて取り扱うものとする。

(延滞税の計算の基礎となる期間に算入しない部分の相続税額又は贈与税額)

51‐5 期限後申告書若しくは修正申告書の提出又は更正若しくは決定により納付すべき相続税額又は贈与税額のうちに、法第51条第2項又は第3項に掲げる事由以外の事由に基づくものが含まれている場合には、当該納付すべき相続税額又は贈与税額から同条第2項又は第3項の事由がないものとして計算される納付すべき相続税額又は贈与税額を控除した相続税額又は贈与税額について、同条第2項又は第3項の規定を適用する。

(分納税額の納期限が延長された場合の第2回目以後の利子税の計算始期)

52‐1 法第52条第1項第2号に規定する「前回の分納税額の納期限」には、通則法第11条の規定により延長された期限は含まないことに留意する。

(繰上納付があった場合の第2回目以降の利子税の計算)

52‐2 法第52条第1項第2号の規定に基づき、第2回目以降の利子税の計算を行う場合には、延納税額を分納期限前に繰り上げて納付したことにより、延納税額から前回までの分納税額の合計額を控除した残額よりも、延納税額の残額が少ない場合は、当該延納税額の残額を基礎とするのであるから留意する。

(延納申請を取り下げた場合)

52‐3 法第52条第4項の規定は、延納申請を自ら取り下げた場合には適用がなく、当該取り下げた者は、当該申請の取下げに係る相続税額の法第33条又は通則法第35条第2項の規定による納期限又は納付すべき日の翌日から当該相続税の完納の日までの期間については、通則法第60条の規定による延滞税を納付しなければならないのであるから留意する。

(災害等により申請に係る分納期限後に延納を許可した後、分納期限の延長等を行った場合)

52‐4 法第52条第5項の規定の適用がある場合において、延納の許可を受けた分納税額の納期限(39‐4による納期限をいう。)を延長又は再延長した場合においては、延納の許可をした税額の納期限の翌日から延長又は再延長した分納期限までの期間については利子税を計算することに留意する。
(注) 法第52条第5項の規定の適用がある場合における分納期限の延長について図示すると次のとおりである。

(利子税の計算の基礎となる相続税額)

53‐1 物納の許可若しくは物納申請の却下があった場合又は物納申請を取り下げたものとみなされた場合に、納付すべき利子税額を計算するに当たっては、物納財産ごとにされた物納許可等に係る税額を基礎金額として法第53条の規定に基づき計算するのであるから留意する。

(物納申請を取り下げた場合)

53‐2 法第53条第6項の規定は、物納申請を自ら取り下げた場合には適用がなく、当該取り下げた者は、当該申請の取下げに係る相続税額の法第33条又は通則法第35条第2項の規定による納期限又は納付すべき日の翌日から当該相続税の完納の日までの期間については、通則法第60条の規定による延滞税を納付しなければならないのであるから留意する。

(「民法の規定による相続分」の意義)

55‐1 法第55条本文に規定する「民法(第904条の2を除く。)の規定による相続分」とは、民法第900条から第902条まで及び第903条に規定する相続分をいうのであるから留意する。

(相続又は遺贈により取得したものとみなされる財産)

55‐2 法第55条の規定により課税価格を計算する場合において、法第3条及び第4条並びに第7条から第9条までの規定により相続又は遺贈により取得したものとみなされる財産があるときは、当該財産の価額は、その者の民法に規定する相続分又は包括遺贈の割合に応ずる本来の相続財産価額に加算して課税価格を計算するものとする。

(退職手当金等の支払調書の提出限度)

59‐1 適格退職年金契約等に基づいて2以上の信託会社又は生命保険会社が支給する年金又は一時金の額が、法施行規則第30条第3項に規定する100万円の金額を超えるかどうかは、当該2以上の信託会社又は生命保険会社が支給する金額の合計額により判定するものとする。
(注) 2以上の信託会社又は生命保険会社と締結した適格退職年金契約には、次のようなものがある。
(1) 2以上の信託会社が共同で同一の契約書により受託する共同受託契約
(2) 2以上の生命保険会社が共同で同一の契約書により事務を引き受ける共同取扱契約
(3) 退職年金制度の一定の方法により2以上に分割し、その分割した数だけの退職年金契約を締結する分割契約

(相続人の数に算入される養子の数の否認規定の適用範囲)

63‐1 法第63条の規定が適用される事項は、法第12条第1項第5号の保険金の非課税限度額、同項第6号の退職手当金等の非課税限度額、法第15条第1項の遺産に係る基礎控除額及び法第16条の相続税の総額に関する事項に限られるのであるから留意する。

(被相続人の養子のうち一部の者が相続税の不当減少につながるものである場合)

63‐2 被相続人の養子(法第15条第3項の規定により実子とみなされる者を除く。)のうちに法第63条の規定による相続税の負担を不当に減少させる結果となると認められる養子(以下63‐2において「不当減少養子」という。)がある場合には、法第15条第2項に規定する相続人の数に算入する養子の数は、当該不当減少養子を除いた養子の数を基とするのであるから留意する。

(純資産額の意義)

66の2‐1 法第66条の2第1項に規定する純資産額(以下66の2‐1及び66の2‐7において「純資産額」という。)は、同条第2項に規定する特定一般社団法人等(以下66の2‐7までにおいて「特定一般社団法人等」という。)が、同条第1項に規定する被相続人(以下66の2‐7までにおいて「被相続人」という。)の相続開始の時において有する財産及び債務に基づき算定するのであるが、この場合における財産の価額の算定等については次によることに留意する。
(1) 財産の価額は、当該被相続人の相続開始の時における法施行令第34条第2項に規定する時価によるのであるが、この場合の時価とは、評価基本通達の定めにより算定した価額(同項に規定する地上権、永小作権又は定期金給付契約に関する権利にあっては、法第23条から第25条までの規定に準じて評価した金額)による。
 なお、特定一般社団法人等が有する財産からは、当該特定一般社団法人等が信託の受託者として有するもの及び当該被相続人から遺贈により取得したものは除かれることに留意する。
(注) 上記の地上権、永小作権又は定期金給付契約に関する権利の評価については、23‐1から25‐1までの取扱いに準ずることに留意する。
(2) 債務の価額は、法施行令第34条第1項第2号に掲げる金額の合計額によるのであるが、その算定については、次による。
イ 同号イの債務の金額は、当該被相続人の相続開始の時の現況による。
 なお、特定一般社団法人等が有する債務は、当該被相続人の相続開始の際現に存するものであって、確実と認められるものに限り、特定一般社団法人等が信託の受託者として有するものは除かれることに留意する。
(注)1 債務が確実と認められるかどうかについては、14‐1から14‐4までの取扱いに準ずる。なお、特定一般社団法人等が設定した貸倒引当金、退職給与引当金、納税引当金その他の引当金及び準備金に相当する金額は、法施行令第34条第1項第2号イの債務に当たらないことに留意する。
 2 特定一般社団法人等に課される国税又は地方税であって当該被相続人の相続開始以前に納税義務が成立したもので、当該相続開始以前に納付すべき税額が確定したものは、同号ロの国税又は地方税から除かれているのであるが、同号イの債務に含まれることに留意する。
ロ 同号ハの給与については、3‐18から3‐33までの取扱いに準ずる。
ハ 同号ニの特定一般社団法人等が有する基金の額は、当該被相続人の相続開始の時における当該基金の額による。
(3) 財産の価額の合計額を債務の価額の合計額が上回る場合には、特定一般社団法人等の純資産額は零となる。

(相続開始の時における同族理事の数の意義)

66の2‐2 法第66条の2第1項の「その時における当該特定一般社団法人等の同族理事の数」は、被相続人に係る相続開始直後の同条第2項第2号に規定する同族理事(以下66の2‐4までにおいて「同族理事」という。)の数によることに留意する。
(注) 当該被相続人と同時に死亡した者がある場合において、その死亡した者が次の(1)又は(2)に掲げる者に該当するときは、その死亡した者の数は、同族理事の数に加算することに留意する。
(1) その死亡の直前において当該特定一般社団法人等の同族理事である者
(2) 当該特定一般社団法人等の理事でなくなった日から5年を経過していない者であって当該被相続人と法施行令第34条第3項に規定する特殊の関係のあるもの

(相続開始前5年以内における同族理事の数の理事の総数に占める割合の判定)

66の2‐3 法第66条の2第2項第3号ロの割合が2分の1を超える期間の合計が3年以上であるかどうかの判定については、次によることに留意する。
(1) 理事である期間は、同項第1号に規定する一般社団法人等(以下66の2‐4及び66の2‐8において「一般社団法人等」という。)の理事が、一般社団法人及び一般財団法人に関する法律(平成18年法律第48号)第63条《選任》(同法第177条《一般社団法人に関する規定の準用》において準用する場合を含む。)の規定に基づき選任された日からその退任の日又は解任の日までの期間による。
(2) 被相続人の相続の開始前5年以内の各時における同項第3号ロの割合の計算は、当該各時において当該被相続人に係る同族理事に該当する理事の数及び当該各時の理事の総数に基づき行う。
(注) 法施行令第34条第6項に規定する被合併法人同族理事(以下66の2‐4において「被合併法人同族理事」という。)の数についても同様であることに留意する。

(一般社団法人等が合併法人である場合)

66の2‐4 一般社団法人等が、被相続人の相続開始前5年以内に行われた合併に係る法施行令第34条第5項に規定する合併法人である場合には、次によることに留意する。
(1) 当該被相続人が、同項に規定する被合併法人(以下66の2‐4において「被合併法人」という。)の理事であったときは、当該被相続人は当該一般社団法人等の理事でなくなった日から5年を経過していない者とみなされる。
(2) 当該一般社団法人等に係る被合併法人が複数あるときの被合併法人同族理事の数の被合併法人の理事の総数に占める割合の判定は、被合併法人ごとに行い、その割合が2分の1を超える期間については、当該一般社団法人等に係る法第66条の2第2項第3号ロの2分の1を超える期間に該当するものとみなされる。

(「課された贈与税及び相続税」の意義)

66の2‐5 法第66条の2第3項に規定する「課された贈与税及び相続税」には、特定一般社団法人等が贈与及び遺贈により取得した財産に対して法第66条第4項において準用する同条第1項又は第2項の規定により課されるべき贈与税及び相続税(法第36条第1項及び第2項の規定による更正又は決定をすることができなくなった贈与税及び相続税を除く。)も含まれるものとして取り扱うものとする。この場合において、当該贈与税及び相続税については、速やかに課税手続をとることに留意する。

(特定一般社団法人等が相続開始の年において被相続人から贈与を受けている場合)

66の2‐6 特定一般社団法人等が、被相続人の相続開始の年において当該被相続人から贈与により財産を取得している場合には、法第66条の2第5項の規定により当該財産の価額については法第19条第1項の規定の適用はないのであるが、当該贈与について法第66条第4項において準用する同条第1項又は第2項の規定の適用がある場合には、当該贈与による財産の取得につき当該特定一般社団法人等に贈与税が課されることに留意する。
(注) 上記により課された贈与税の税額については、法施行令第34条第7項に規定する控除対象金額に含まれることに留意する。

(被相続人から特定一般社団法人等に対し遺贈があった場合)

66の2‐7 被相続人の死亡について特定一般社団法人等に法第66条の2第1項の規定の適用がある場合において、当該特定一般社団法人等が当該被相続人から遺贈により財産を取得しているときは、次によることに留意する。
(1) 当該財産は、当該特定一般社団法人等の純資産額の算定の基礎となる財産から除かれること。
(2) 当該財産の取得につき法第66条第4項の規定の適用により相続税が課される場合には、次の取扱いとなること。
イ 当該特定一般社団法人等に係る相続税の課税価格は、当該財産の価額と法第66条の2第1項の規定により遺贈により取得したものとみなされる金額との合計額による。
ロ 法第66条第5項の規定により相続税の額から控除する同項の法人税その他の税の額に相当する額は、同項の規定による控除前の相続税の額に当該財産の価額がイの課税価格に占める割合を乗じて計算した金額が限度となる。
ハ 当該被相続人の死亡について当該特定一般社団法人等に課された相続税の税額には、法第66条の2第3項の規定は適用されない。

(平成30年3月31日以前に設立された一般社団法人等に係る平成30年改正法附則による経過措置について)

66の2‐8 所得税法等の一部を改正する法律(平成30年法律第7号)附則第43条第5項《相続税法の一部改正に伴う経過措置》の規定により、一般社団法人等が平成30年3月31日以前に設立されたものである場合には、法第66条の2の規定は、令和3年4月1日以後の当該一般社団法人等の理事である者(当該一般社団法人等の理事でなくなった日から5年を経過していない者を含む。)の死亡に係る相続税について適用されることに留意する。
 この場合において、平成30年3月31日以前の期間は、同条第2項第3号ロの2分の1を超える期間に該当しないものとされていることに留意する。