贈与により取得した財産の価額

(贈与により取得した財産の価額)

19‐1 法第19条第1項の規定により相続税の課税価格に加算される財産の価額は、当該財産に係る贈与の時における価額によるのであるから留意する。

(相続開始前3年以内の贈与)

19‐2 法第19条に規定する「当該相続の開始前3年以内」とは、当該相続の開始の日からさかのぼつて3年目の応当日から当該相続の開始の日までの間をいうのであるから留意する。

(相続の放棄等をした者が当該相続の開始前3年以内に贈与を受けた財産)

19‐3 相続開始前3年以内に当該相続に係る被相続人からの贈与により財産を取得した者(当該被相続人を特定贈与者とする相続時精算課税適用者を除く。)が当該被相続人から相続又は遺贈により財産を取得しなかった場合においては、その者については、法第19条の規定の適用がないのであるから留意する。
 なお、当該相続時精算課税適用者については、当該被相続人から相続又は遺贈により財産を取得しなかった場合であっても、同条の規定の適用があることに留意する。

(相続の開始前3年以内に被相続人からの贈与により国外財産を取得している場合)

19‐4 贈与税の制限納税義務者が贈与により法施行地外にある財産を取得した場合には当該財産の価額は贈与税の課税価格に算入されないのであるから、当該贈与をした者の相続の開始に係る相続税の課税価格の計算において当該財産の価額は、当該贈与を受けた者が当該相続の開始した時に相続税の無制限納税義務者に該当する場合であっても、法第19条第1項の規定の適用はないのであるから留意する。
(注) 上記は、贈与税の非居住無制限納税義務者(日本国籍を有しない個人に限る。)が、法第28条第5項に規定する短期非居住贈与者から同項の贈与により法施行地外にある財産を取得した場合において、その後、同条第7項の規定により当該財産の価額が贈与税の課税価格に算入されないこととなったときについても同様であることに留意する。

(債務の通算)

19‐5 法第19条の規定により相続開始前3年以内に贈与によつて取得した財産の価額を相続税の課税価格に加算した場合においても、その加算した財産の価額からは法第13条第1項、第2項又は第4項に規定する控除はしないのであるから留意する。

(「課せられた贈与税」の意義)

19‐6 法第19条に規定する「課せられた贈与税」には、相続開始前3年以内の贈与財産に対して課されるべき贈与税(法第36条第1項及び第2項の規定による更正又は決定をすることができなくなった贈与税を除く。)も含まれるものとして取り扱うものとする。この場合において、当該贈与税については、速やかに課税手続をとることに留意する。

(相続税額から控除する贈与税額の計算)

19‐7 法第19条の規定の適用がある者の相続税額から控除する贈与税額の算出方法を算式で示すと、次に掲げるとおりである。

A×

(注) 算式中の符号は、次のとおりである。
Aは、その年分の贈与税額(法第21条の13の規定により計算される贈与税額がある場合には、当該贈与税額を除く。
Bは、その年分の贈与税の課税価格(法第19条第1項に規定する特定贈与財産以下21の6‐3までにおいて「特定贈与財産」という。及び第21条の10の規定により計算される課税価格がある場合には、その価額を控除した後の課税価格
Cは、その年分の贈与財産の価額の合計額のうち法第19条の規定により相続税の課税価格に加算された部分の金額
ただし、その年分の贈与税について措置法第70条の2の5第3項の規定により贈与税額を算出した場合には、次の(1)又は(2)に掲げる財産の別に上記の算式により算出した金額を合計した金額とする。
(1) 同項に規定する特例贈与財産(以下19‐7において「特例贈与財産」という。
  Aは、その年分の同項第1号に掲げる金額
  Bは、その年分の贈与税の特例贈与財産の価額の合計額
  Cは、その年分の特例贈与財産の価額の合計額のうち相続税法第19条の規定により相続税の課税価格に加算された部分の価額
(2) 同項に規定する一般贈与財産(以下19‐7において「一般贈与財産」という。
  Aは、その年分の同項第2号に掲げる金額
  Bは、その年分の贈与税の一般贈与財産の価額(特定贈与財産がある場合には、その価額を控除した後の価額)の合計額
  Cは、その年分の一般贈与財産の価額の合計額のうち相続税法第19条の規定により相続税の課税価格に加算された部分の価額

(贈与税の配偶者控除の適用順序)

19‐8 被相続人の配偶者が、当該被相続人から相続開始の日の属する年の3年前の年に2回以上にわたつて法第21条の6第1項の規定による贈与税の配偶者控除の適用を受けることができる居住用不動産又は居住用不動産の取得のための金銭(以下19‐8において「居住用不動産等」という。)の贈与を受け、当該年分の贈与税につき贈与税の配偶者控除の規定の適用を受けている場合で、当該贈与により取得した居住用不動産等の価額の合計額が贈与税の配偶者控除を受けることができる金額を超え、かつ、当該贈与に係る居住用不動産等のうちに相続開始前3年以内の贈与に該当するものと該当しないものとがあるときにおける法第19条の規定の適用に当たっては、法第21条の6第1項の規定による贈与税の配偶者控除は、まず、相続税の課税価格の計算上、相続開始前3年以内の贈与に該当する居住用不動産等から適用されたものとして取り扱うものとする。

(相続開始の年の特定贈与財産に対する贈与税の課税)

19‐9 相続の開始の年に当該相続に係る被相続人から贈与により取得した居住用不動産又は金銭で特定贈与財産に該当するものについては、法第21条の2第4項の規定の適用がなく、その財産の価額が相続の開始の日の属する年分の贈与税の課税価格に算入されるのであるから留意する。
(注) 法第19条第2項第2号の規定により特定贈与財産に該当することとなった居住用不動産又は金銭の価額については、贈与税の配偶者控除の適用がない場合であっても、相続税の課税価格に加算されないのであるから留意する。

(店舗兼住宅等の持分の贈与を受けた場合の特定贈与財産の判定)

19‐10 相続の開始の年に当該相続に係る被相続人から贈与により取得した財産が21の6‐2の店舗兼住宅等の持分である場合には、法第19条第2項に規定する居住用不動産に該当する部分は21の6‐3の本文により計算した部分となるのであるが、当該居住用不動産に該当する部分について21の6‐3のただし書に準じて計算して法施行令第4条第2項の規定による申告書の提出があったときは、これを認めるものとする。

(相続時精算課税適用者に対する法第19条の規定の適用)

19‐11 相続時精算課税適用者が特定贈与者からの贈与により取得した相続時精算課税の適用を受ける財産については法第19条の規定の適用はないが、当該特定贈与者に係る相続の開始前3年以内で、かつ、相続時精算課税の適用を受ける年分前に当該相続時精算課税適用者が、特定贈与者である被相続人からの贈与により取得した財産(年の中途において特定贈与者の推定相続人となったときには、推定相続人となった時前に当該特定贈与者からの贈与により取得した財産を含む。)については、同条第1項の規定により当該財産の価額を相続税の課税価格に加算することとなるのであるから留意する。
 また、当該被相続人から相続又は遺贈により財産を取得しなかった者であっても、その者が当該被相続人を特定贈与者とする相続時精算課税適用者であり、かつ、当該被相続人から相続開始前3年以内に贈与により取得した財産(相続時精算課税の適用を受ける財産を除く。)がある場合においては、その者については、同条の規定の適用があることに留意する。

(相続税額の軽減の対象となる配偶者の範囲)

19の2‐1 法第19条の2の配偶者に対する相続税額の軽減の規定は、財産の取得者が無制限納税義務者又は制限納税義務者のいずれに該当する場合であっても適用があるのであるから留意する。

(内縁関係にある者)

19の2‐2 法第19条の2第1項に規定する配偶者は、婚姻の届出をした者に限るものとする。したがって、事実上婚姻関係と同様の事情にある者であっても婚姻の届出をしていないいわゆる内縁関係にある者は、当該配偶者には該当しないのであるから留意する。

(相続を放棄した配偶者に対する相続税額の軽減)

19の2‐3 配偶者に対する相続税額の軽減の規定は、配偶者が相続を放棄した場合であっても当該配偶者が遺贈により取得した財産があるときは、適用があるのであるから留意する。

(配偶者に係る相続税の課税価格に相当する金額の計算の基礎とされる財産)

19の2‐4 法第19条の2第1項第2号ロに規定する「当該相続又は遺贈により財産を取得した配偶者に係る相続税の課税価格に相当する金額」の計算の基礎とされる財産とは、当該配偶者が取得した次に掲げる財産をいうのであるから留意する。
(1) 当該相続又は遺贈に係る法第27条の規定による申告書の提出期限までに当該相続又は遺贈により取得した財産のうち分割により取得した財産
(2) 当該相続に係る被相続人の相続人が当該被相続人の配偶者のみで包括受遺者がいない場合における当該相続により取得した財産
(3) 当該相続に係る被相続人の包括受遺者が被相続人の配偶者のみで他に相続人がいない場合における当該包括遺贈により取得した財産
(4) 当該相続に係る被相続人からの特定遺贈により取得した財産
(5) 法第19条の規定により相続開始前3年以内に当該相続に係る被相続人から贈与により取得した財産の価額が相続税の課税価格に加算された場合における当該財産
(6) 法の規定により当該相続又は遺贈により取得したものとみなされる財産
(7) 当該相続又は遺贈に係る法第27条の規定による申告書の提出期限から3年以内(当該期間が経過するまでの間に財産が分割されなかったことにつきやむを得ない事情がある場合において、税務署長の承認を受けたときは、当該財産につき分割できることとなった日の翌日から4月以内)に分割された場合における当該分割により取得した財産

(配偶者が財産の分割前に死亡している場合)

19の2‐5 相続又は遺贈により取得した財産の全部又は一部が共同相続人又は包括受遺者によって分割される前に、当該相続(以下19の2‐5において「第一次相続」という。)に係る被相続人の配偶者が死亡した場合において、第一次相続により取得した財産の全部又は一部が、第一次相続に係る配偶者以外の共同相続人又は包括受遺者及び当該配偶者の死亡に基づく相続に係る共同相続人又は包括受遺者によって分割され、その分割により当該配偶者の取得した財産として確定させたものがあるときは、法第19条の2第2項の規定の適用に当たっては、その財産は分割により当該配偶者が取得したものとして取り扱うことができる。
(注) 第1次相続に係る被相続人の配偶者が死亡した後、第1次相続により取得した財産の全部又は一部が家庭裁判所における調停又は審判(以下19の2‐5において「審判等」という。)に基づいて分割されている場合において、当該審判等の中で、当該配偶者の具体的相続分(民法第900条から第904条の2《寄与分》まで第902条の2《相続分の指定がある場合の債権者の権利の行使》を除く。に規定する相続分をいう。以下19の2‐5において同じ。)のみが金額又は割合によって示されているにすぎないときであっても、当該配偶者の共同相続人又は包括受遺者の全員の合意により、当該配偶者の具体的相続分に対応する財産として特定させたものがあるときは上記の取扱いができることに留意する。

(配偶者に係る課税価格に相当する金額を計算する場合の債務控除等の方法)

19の2‐6 被相続人の配偶者が当該被相続人から相続又は遺贈により財産を取得している場合において、当該相続又は遺贈に係る法第27条の規定による申告書の提出期限までに、当該相続又は遺贈により取得した財産の一部が共同相続人又は包括受遺者によってまだ分割されていないときにおける法第19条の2第1項第2号ロに規定する配偶者に係る相続税の課税価格に相当する金額を計算するときの法第13条の規定により債務として控除する金額は、まず法第19条の2第2項の規定により同条第1項第2号ロの課税価格の計算の基礎とされる財産に含まれないものとされる財産の価額から控除し、これにより控除しきれない金額があるときは、その金額を当該課税価格の計算の基礎とされる財産の価額から控除するものとする。
 なお、当該配偶者が代償分割に基づいて他の相続人に対して負担する代償財産を給付する債務は、法第19条の2の第1項2号ロの課税価格の計算の基礎とされる財産の価額から控除するものとする。

(配偶者の税額軽減額の計算方法)

19の2‐7 法第19条の2第1項第2号に規定する「当該相続又は遺贈により財産を取得したすべての者に係る相続税の総額に、次に掲げる金額のうちいずれか少ない金額が当該相続又は遺贈により財産を取得したすべての者に係る相続税の課税価格の合計額のうちに占める割合を乗じて算出した金額」の算出方法を算式で示すと、次のとおりである。

A× C又はDのいずれか少ない金額

(注) 算式中の符号は、次のとおりである。
Aは、当該相続又は遺贈(当該相続に係る被相続人からの贈与により取得した財産で相続時精算課税の適用を受けるものに係る贈与を含む。以下19の4‐4までにおいて同じ。)により財産を取得したすべての者に係る相続税の総額
Bは、当該相続又は遺贈により財産を取得したすべての者に係る相続税の課税価格の合計額(当該合計額に1,000円未満の端数があるとき又はその全額が1,000円未満であるときは、その端数金額又はその全額を切り捨てるものとする。以下19の2‐7の2において同じ。
Cは、法第19条の2第1項第2号イに掲げる金額
Dは、法第19条の2第1項第2号ロに掲げる金額

(隠ぺい仮装行為があった場合の配偶者の税額軽減額の計算方法)

19の2‐7の2 法第19条の2第5項の規定の適用がある場合における配偶者の税額軽減額は、19の2‐7の算式中AからDの金額をそれぞれ次に掲げる金額に読み替えて計算したところの金額によることに留意する。
(1) Aの金額 次の算式により算出した相続税の課税価格の合計額に係る相続税の総額(当該金額に100円未満の端数があるとき又はその全額が100円未満であるときは、その端数金額又はその全額を切り捨てるものとする。
 a-(b+c)
(2) Bの金額 上記(1)の算式により算出した相続税の課税価格の合計額
(3) Cの金額 次の算式により算出した金額(当該金額に1,000円未満の端数があるとき又はその全額が1,000円未満であるときは、その端数金額又はその全額を切り捨てるものとする。)に民法第900条の規定による被相続人の配偶者の相続分(相続の放棄があった場合には、その放棄がなかったものとした場合における相続分とする。)を乗じて算出した金額(当該被相続人の相続人相続の放棄があった場合には、その放棄がなかったものとした場合における相続人が当該配偶者のみである場合には、当該合計額とする。)に相当する金額と1億6,000万円のいずれか多い金額
 a-(d+e)
(4) Dの金額 次の算式により算出した金額(当該金額に1,000円未満の端数があるとき又はその全額が1,000円未満であるときは、その端数金額又はその全額を切り捨てるものとする。
 f-(g+e)
(注) 算式中の符号は次のとおりである。
aは、法第19条の2第1項第2号イの「課税価格の合計額」(当該合計額の基となった各人の課税価格について通則法第118条第1項の規定による端数処理を行っている場合には、当該処理をする前の金額の合計額とする。
bは、被相続人から相続又は遺贈により財産を取得した者(以下19の2‐7の2において「納税義務者」という。)が相続又は遺贈により取得した財産の価額のうち被相続人の配偶者が行った法第19条の2第6項に規定する隠ぺい仮装行為による事実に基づく金額(以下19の2‐7の2において「隠ぺい仮装行為に係る金額」という。)と当該納税義務者の債務及び葬式費用のうち当該配偶者が行った隠ぺい仮装行為に係る金額との合計額(当該合計額が当該納税義務者に係る相続又は遺贈により取得した財産の価額の合計額法第13条第1項、第2項又は第4項の規定の適用がある場合にはこれらの規定による控除後の金額をいう。以下19の2‐7の2において「純資産価額」という。を上回る場合には、当該納税義務者に係る純資産価額とする。
cは、納税義務者につき法第19条の規定により相続税の課税価格に加算される財産の価額のうち被相続人の配偶者が行った隠ぺい仮装行為に係る金額
dは、被相続人の配偶者が相続又は遺贈により取得した財産の価額のうち納税義務者が行った隠ぺい仮装行為に係る金額と当該配偶者の債務及び葬式費用のうち当該納税義務者が行った隠ぺい仮装行為に係る金額との合計額(当該合計額が当該配偶者に係る純資産価額を上回る場合には、当該配偶者に係る純資産価額とする。
eは、被相続人の配偶者につき法第19条の規定により相続税の課税価格に加算される財産の価額のうち納税義務者が行った隠ぺい仮装行為に係る金額
fは、法第19条の2第1項第2号ロに掲げる課税価格(当該課税価格について通則法第118条第1項の規定による端数処理を行っている場合には、当該処理をする前の金額とする。)に相当する金額
gは、被相続人の配偶者が相続又は遺贈により取得した財産の価額(法第19条の2第2項に規定する分割されていない財産の価額を除く。)のうち納税義務者が行った隠ぺい仮装行為に係る金額と当該配偶者の債務及び葬式費用のうち当該納税義務者が行った隠ぺい仮装行為に係る金額との合計額(当該合計額が法第19条の2第1項第2号ロの金額の計算の基となった純資産価額に相当する金額を上回る場合には、当該純資産価額に相当する金額

(分割の意義)

19の2‐8 法第19条の2第2項に規定する「分割」とは、相続開始後において相続又は包括遺贈により取得した財産を現実に共同相続人又は包括受遺者に分属させることをいい、その分割の方法が現物分割、代償分割若しくは換価分割であるか、またその分割の手続が協議、調停若しくは審判による分割であるかを問わないのであるから留意する。
 ただし、当初の分割により共同相続人又は包括受遺者に分属した財産を分割のやり直しとして再配分した場合には、その再配分により取得した財産は、同項に規定する分割により取得したものとはならないのであるから留意する。
(注) 「代償分割」とは、共同相続人又は包括受遺者のうちの1人又は数人が相続又は包括遺贈により取得した財産の現物を取得し、その現物を取得した者が他の共同相続人又は包括受遺者に対して債務を負担する分割の方法をいい、「換価分割」とは、共同相続人又は包括受遺者のうちの1人又は数人が相続又は包括遺贈により取得した財産の全部又は一部を金銭に換価し、その換価代金を分割する方法をいうのであるから留意する。

(相続又は遺贈に関する訴え)

19の2‐9 法施行令第4条の2第1項第1号及び第2号の規定による相続又は遺贈に関する訴え、和解、調停又は審判とは、当該相続に係る被相続人の財産又は債務、相続人の身分、遺言及び遺産分割に関する訴え、和解、調停又は審判のほか当該相続の前の相続に係るこれらの訴え、和解、調停又は審判をも含むのであるから留意する。

(申立ての時に訴えの提起がされたものとみなされるとき)

19の2‐10 法施行令第4条の2第1項第1号に規定する「これらの申立ての時に訴えの提起がされたものとみなされるとき」とは、次に掲げる場合をいうのであるから留意する。
(1) 民事訴訟法(平成8年法律第109号)第275条第2項《訴え提起前の和解》の規定により、和解の申立てをした者がその申立てをした時に、その訴えを提起したものとみなされる場合
(2) 家事事件手続法(平成23年法律第52号)第286条第6項《異議の申立て等》の規定により、調停の当事者が調停の申立ての時に、その訴えを提起したものとみなされる場合
(3) 民事調停法(昭和26年法律第222号)第19条《調停不成立等の場合の訴の提起》の規定により、調停の申立者が調停の申立ての時に、その訴えの提起があったものとみなされる場合

(判決の確定の日)

19の2‐11 法施行令第4条の2第1項第1号に規定する「判決の確定の日」とは、次に掲げる場合の区分に応じ、それぞれ次に掲げる日をいうのであるから留意する。
(1) 敗訴の当事者が上訴をしない場合 その上訴期間を経過した日
(2) 全部敗訴の当事者が上訴期間経過前に上訴権を放棄した場合 その上訴権を放棄した日
(3) 両当事者がそれぞれ上訴権を有し、かつ、それぞれ別々に上訴権を放棄した場合 その上訴権の放棄があった日のうちいずれか遅い日
(4) 上告審の判決のように上訴が許されない場合 その判決の言渡しがあった日

(訴えの取下げの日)

19の2‐12 法施行令第4条の2第1項第1号に規定する「訴えの取下げの日」とは、次に掲げる場合の区分に応じ、それぞれ次に掲げる日をいうのであるから留意する。
(1) 民事訴訟法第261条《訴えの取下げ》に規定する訴えの取下げがあった場合 その訴えの取下げの効力が生じた日
(2) 民事訴訟法第263条《訴えの取下げの擬制》、民事調停法第20条第2項《受訴裁判所の調停》又は家事事件手続法第276条第1項《訴えの取下げの擬制等》の規定により訴えの取下げがあったものとみなされた場合 その訴えの取下げがあったものとみなされた日
(3) 上訴期間経過後に上訴の取下げがあった場合 その上訴の取下げがあった日
(注) 訴えの取下げの効力が生じた日、訴えの取下げの日又は上訴の取下げの日については、民事訴訟法第91条《訴訟記録の閲覧等》の規定による訴訟記録の閲覧又は裁判所の証明書により確認することができることに留意する。

(訴訟完結の日)

19の2‐13 法施行令第4条の2第1項第1号に規定する「その他当該訴訟完結の日」とは、次に掲げる場合の区分に応じ、それぞれ次に掲げる日をいうのであるから留意する。
(1) 民事訴訟法第267条《和解調書等の効力》に規定する和解又は請求の放棄若しくは認諾があった場合 その和解又は請求の放棄若しくは認諾を調書に記載した日
(2) 訴訟当事者の死亡によりその訴訟を継続することができなくなった場合 その当事者の死亡の日
(3) 訴訟当事者の地位の混同が生じた場合 その当事者の地位の混同が生じた日

(これらの申立てに係る事件の終了の日)

19の2‐14 法施行令第4条の2第1項第2号に規定する「その他これらの申立てに係る事件の終了の日」とは、次に掲げる場合の区分に応じ、それぞれ次に掲げる日をいうのであるから留意する。
(1) 家事事件手続法第91条第2項《抗告裁判所による裁判》に規定する審判に代わる裁判があつた場合 その裁判の確定の日
(2) 民事調停法第17条《調停に代わる決定》に規定する調停に代わる決定があった場合 その決定の確定の日
(3) 民事調停法第31条《商事調停事件について調停委員会が定める調停事項》に規定する調停条項を定めた場合 その調停条項を定めた日
(4) 事件の当事者の死亡によりその申立てに係る事件の手続を続行することができないようになった場合 その当事者の死亡の日
(5) 事件の当事者の地位の混同が生じた場合 その当事者の地位の混同が生じた日

(やむを得ない事情)

19の2‐15 法施行令第4条の2第1項第4号に規定する「相続又は遺贈に係る財産が当該相続又は遺贈に係る申告期限の翌日から3年を経過する日までに分割されなかったこと及び当該財産の分割が遅延したことにつき税務署長においてやむを得ない事情があると認める場合」とは、次に掲げるような事情により客観的に遺産分割ができないと認められる場合をいうものとする。
(1) 当該申告期限の翌日から3年を経過する日において、共同相続人又は包括受遺者の1人又は数人が行方不明又は生死不明であり、かつ、その者に係る財産管理人が選任されていない場合
(2) 当該申告期限の翌日から3年を経過する日において、共同相続人又は包括受遺者の1人又は数人が精神又は身体の重度の障害疾病のため加療中である場合
(3) 当該申告期限の翌日から3年を経過する日前において、共同相続人又は包括受遺者の1人又は数人が法施行地外にある事務所若しくは事業所等に勤務している場合又は長期間の航海、遠洋漁業等に従事している場合において、その職務の内容などに照らして、当該申告期限の翌日から3年を経過する日までに帰国できないとき
(4) 当該申告期限の翌日から3年を経過する日において、法施行令第4条の2第1項第1号から第3号までに掲げる事情又は(1)から(3)までに掲げる事情があった場合において、当該申告期限の翌日から3年を経過する日後にその事情が消滅し、かつ、その事情の消滅前又は消滅後新たに同項第1号から第3号までに掲げる事情又は(1)から(3)までに掲げる事情が生じたとき

(申告期限の翌日から3年を経過する日前4月以内にやむを得ない事情が消滅した場合)

19の2‐16 法第19条の2第1項の相続又は遺贈に係る法第27条第1項の規定による申告書の提出期限の翌日から3年を経過する日前に法施行令第4条の2第1項第1号から第3号までに掲げる事情又は19の2‐15の(1)から(3)までに掲げる事情があり、その事情が当該申告書の提出期限の翌日から3年を経過する日前4月以内に消滅し、かつ、当該申告書の提出期限の翌日から3年を経過する日までに遺産の分割が行われていない場合において、それらの事情が消滅した日から4月以内に、当該相続又は遺贈により取得した財産の全部又は一部が共同相続人又は包括受遺者によって分割されたときには、法施行令第4条の2第1項第4号に掲げる場合に該当するものとして取り扱っても差し支えないものとする。

(財産の分割の協議に関する書類)

19の2‐17 相続税法施行規則(昭和25年大蔵省令第17号。以下「法施行規則」という。)第1条の6第3項第1号に規定する「財産の分割の協議に関する書類」とは、当該相続に係る共同相続人又は包括受遺者がその相続又は遺贈に係る財産の分割について協議をした事項を記載した書類で、これらの者が自署し、これらの者の住所地の市区町村長の印鑑証明を得た印を押しているものをいうのであるが、共同相続人又は包括受遺者が民法第20条《制限行為能力者の相手方の催告権》の規定による制限行為能力者である場合には、その者の特別代理人又は法定代理人がその者に代理して自署し、当該代理人の住所地の市区町村長の印鑑証明を得た印を押しているものをいうのであるから留意する。

(その他の財産の取得の状況を証する書類)

19の2‐18 法施行規則第1条の6第3項第1号に規定する「その他の財産の取得の状況を証する書類」には、その財産が調停又は審判により分割されているものである場合には、その調停の調書又は審判書の謄本、その財産が法の規定により相続又は遺贈により取得したものとみなされるものである場合には、その財産の支払通知書等その財産の取得を証する書類が含まれるのであるから留意する。

(配偶者に対する相続税額の軽減規定を受ける場合の修正申告書)

19の2‐19 法第19条の2第1項の規定による配偶者に対する相続税額の軽減の適用を受けたことにより、納付すべき相続税額の記載のない申告書を提出した者が、その後、更に分割により財産を取得したことなどに基づき、同項の規定を適用して計算した結果、なお納付すべき相続税額が算出されない場合であっても、同項の規定による配偶者に対する相続税額の軽減の適用を受けないものとした場合における相続税額(以下19の2‐19において「算出相続税額」という。)が、前に提出した申告書に係る算出相続税額を超えることとなるときは、その者は、法第19条の2第3項に規定する修正申告書の提出をすることができるものとして取り扱う。