納税義務の範囲

(納税義務の範囲)

21の2‐1 法第1条の4第1項各号のいずれに該当するかは、贈与によって財産を取得した時ごとに定まるのであるから留意する。
(注) 財産を取得した時に法第1条の4第1項第2号ロに該当していた者が法第28条第5項の規定の適用を受けた場合において、同条第7項に規定する場合に該当することとなったときは、その者は法第1条の4第1項第4号に該当することに留意する。

(民法上の組合からの贈与)

21の2‐2 民法上の組合から財産の贈与を受けたときは、当該贈与に係る財産は、当該組合の組合員からその出資の価額に応じて取得したものとなるのであるから留意する。

(相続又は遺贈により財産を取得しなかった者の贈与税の課税価格)

21の2‐3 相続開始の年(法施行令第4条の4の2第3項又は第7条の2に規定する場合に該当する場合には、これらに規定する適用年。以下21の2‐3において同じ。)において、当該相続に係る被相続人からの贈与により財産を取得した者が当該被相続人からの相続又は遺贈により財産を取得しなかつた場合の贈与税の課税価格は、法第21条の5から第21条の7までの規定(措置法第70条の2の5の規定を含む。以下「暦年課税」という。)の適用を受けるもの又は相続時精算課税の適用を受けるもののいずれであるかに応じて、それぞれ次に掲げるとおりとなることに留意する。
(1) 暦年課税
 法第21条の2第4項又は法施行令第4条の4の2第3項の規定は適用されず、当該贈与により取得した財産の価額は、贈与税の課税価格に算入される。
(2) 相続時精算課税
 法第21条の10の規定により、当該贈与により取得した財産の価額は、贈与税の課税価格に算入されるが、法第28条第4項又は法施行令第7条の2の規定により贈与税の申告書の提出を要しない。この場合、当該財産の価額について贈与税の更正又は決定は行わないことに留意する。
(注) 相続開始の年において当該相続に係る被相続人からの贈与により財産を取得した者で当該贈与を受けた年より前の年に当該被相続人からの贈与により取得した財産について相続時精算課税選択届出書を提出していないものが、当該財産について相続時精算課税の適用を受けるためには、相続時精算課税選択届出書を提出しなければならないのであるから留意する。

(負担付贈与の課税価格)

21の2‐4 負担付贈与に係る贈与財産の価額は、負担がないものとした場合における当該贈与財産の価額から当該負担額を控除した価額によるものとする。

(贈与税の課税価格の端数処理)

21の2‐5 贈与によって財産を取得した者の贈与税の課税価格を計算する場合において、その額に1,000円未満の端数があるとき又はその全額が1,000円未満であるときのその端数又はその全額の取扱いは、次に掲げる区分に応じ、それぞれに掲げるところによることに留意する。
(1) 暦年課税における贈与税の課税価格
 その年中において贈与により取得した財産のうち暦年課税の適用を受けるものの価額を合計した額について、その額の1,000円未満の端数金額又はその全額が1,000円未満であるときのその全額を切り捨てる。
(2) 相続時精算課税における贈与税の課税価格
 その年中において贈与により取得した財産のうち相続時精算課税の適用を受けるものについて、特定贈与者ごとにその価額を合計した額について、それぞれの額の1,000円未満の端数金額又はそれぞれの全額が1,000円未満であるときのその1,000円未満であるものの全額を切り捨てる。
(注) 上記により端数処理を行うときの贈与税の課税価格は、法第21条の6第1項、第21条の12第1項及び措置法第70条の2の4第1項の規定による控除後の額であることに留意する。

(法人の範囲)

21の3‐1 法第21条の3第1項第1号に規定する「法人」には、国、地方公共団体のほか、外国法人をも含むのであるから留意する。

(人格のない社団又は財団からの贈与)

21の3‐2 代表者又は管理者の定めのある人格のない社団又は財団からの贈与によって取得した財産については、法第21条の3第1項第1号に規定する法人からの贈与に準じ贈与税を課税しないことに取り扱う。

(「生活費」の意義)

21の3‐3 法第21条の3第1項第2号に規定する「生活費」とは、その者の通常の日常生活を営むのに必要な費用(教育費を除く。)をいい、治療費、養育費その他これらに準ずるもの(保険金又は損害賠償金により補てんされる部分の金額を除く。)を含むものとして取り扱うものとする。

(「教育費」の意義)

21の3‐4 法第21条の3第1項第2号に規定する「教育費」とは、被扶養者の教育上通常必要と認められる学資、教材費、文具費等をいい、義務教育費に限らないのであるから留意する。

(生活費及び教育費の取扱い)

21の3‐5 法第21条の3第1項の規定により生活費又は教育費に充てるためのものとして贈与税の課税価格に算入しない財産は、生活費又は教育費として必要な都度直接これらの用に充てるために贈与によって取得した財産をいうものとする。したがって、生活費又は教育費の名義で取得した財産を預貯金した場合又は株式の買入代金若しくは家屋の買入代金に充当したような場合における当該預貯金又は買入代金等の金額は、通常必要と認められるもの以外のものとして取り扱うものとする。

(生活費等で通常必要と認められるもの)

21の3‐6 法第21条の3第1項第2号に規定する「通常必要と認められるもの」は、被扶養者の需要と扶養者の資力その他一切の事情を勘案して社会通念上適当と認められる範囲の財産をいうものとする。

(生活費等に充てるために財産の名義変更があつた場合)

21の3‐7 財産の果実だけを生活費又は教育費に充てるために財産の名義変更があったような場合には、その名義変更の時にその利益を受ける者が当該財産を贈与によって取得したものとして取り扱うものとする。

(選挙費用等の取扱い)

21の3‐8 選挙費用等については、次に掲げるところによるのであるから留意する。
(1) 公職選挙法(昭和25年法律第100号)の適用を受ける公職の候補者が選挙運動に関し金銭、物品その他の財産上の利益を取得した場合
イ 個人からの贈与によって取得した金銭、物品その他の財産上の利益については、その取得した金銭、物品その他の財産上の利益のうち公職選挙法第189条《選挙運動に関する収入及び支出の報告書の提出》の規定による報告がされたものは、課税価格に算入しないこと。
ロ 法人からの贈与によつて取得した金銭、物品その他の財産上の利益については、法第21条の3第1項第1号に該当するから課税価格に算入しないこと。
(2) 政治資金規正法(昭和23年法律第194号)の適用を受ける政党(政党交付金の交付を受ける政党等に対する法人格の付与に関する法律平成6年法律第106号第4条《法人格の取得等》の規定により法人格が付与されたものを除く。以下21の3‐8において同じ。)、政治資金団体その他の政治団体が政治資金として金銭、物品その他の財産上の利益を取得した場合
イ 個人からの贈与によって取得した金銭、物品その他の財産上の利益については、その政党、政治資金団体その他の政治団体が法第21条の3第1項第3号の公益を目的とする事業を行う者に該当し、かつ、その取得した財産を政治資金に供することが確実であるときは、課税価格に算入しないこと。
ロ 法人からの贈与によつて取得した金銭、物品その他の財産上の利益については、法第21条の3第1項第1号に該当するから課税価格に算入しないこと。

(社交上必要と認められる香典等の非課税の取扱い)

21の3‐9 個人から受ける香典、花輪代、年末年始の贈答、祝物又は見舞い等のための金品で、法律上贈与に該当するものであっても、社交上の必要によるもので贈与者と受贈者との関係等に照らして社会通念上相当と認められるものについては、贈与税を課税しないことに取り扱うものとする。

(非課税限度額)

21の4‐1 法第21条の4第1項の規定により非課税とされる価額は、同項の規定の適用を受ける同項に規定する特別障害者1人について6,000万円(特別障害者以外の同項に規定する特定障害者以下21の4‐2において「一般障害者」という。の場合には特定障害者1人について3,000万円)を限度とすることに留意する。

(一般障害者から特別障害者となった場合等)

21の4‐2 一般障害者が法第21条の4第1項に規定する信託受益権を取得し、同項の規定の適用を受けた後に、特別障害者に該当することとなった場合において、新たに同項に規定する信託受益権を取得したときに同項の規定の適用を受けることをできる金額は6,000万円から既に同項の規定の適用を受けた金額を控除した残額となることに留意する。
 また、特別障害者が3,000万円を超える金額の同項に規定する信託受益権を取得し、同項の規定の適用を受けた後に、一般障害者に該当することとなった場合において、新たに同項に規定する信託受益権を取得したときには同項の規定の適用を受けることができる金額はないが、既に同項の規定の適用を受けていた額について遡及して同項の規定の適用を受けることができないこととはならないことに留意する。

(居住用不動産の範囲)

21の6‐1 法第21条の6第1項の規定による贈与税の配偶者控除の適用を受けられる者(以下21の6‐9までにおいて「受贈配偶者」という。)が取得した次に掲げる土地若しくは土地の上に存する権利(以下21の6‐1、21の6‐2及び21の6‐9において「土地等」という。)又は家屋は、同項に規定する居住用不動産(以下21の6‐9までにおいて「居住用不動産」という。)に該当するものとして取り扱うものとする。
(1) 受贈配偶者が取得した土地等又は家屋で、例えば、その取得の日の属する年の翌年3月15日現在において、店舗兼住宅及び当該店舗兼住宅の敷地の用に供されている土地等のように、その専ら居住の用に供している部分と居住の用以外の用に供されている部分がある場合における当該居住の用に供している部分の土地等及び家屋
 なお、この場合において、その居住の用に供している部分の面積が、その土地等又は家屋の面積のそれぞれのおおむね10分の9以上であるときは、その土地等又は家屋の全部を居住用不動産に該当するものとして差し支えない。
(2) 受贈配偶者がその者の専ら居住の用に供する家屋の存する土地等のみを取得した場合で、当該家屋の所有者が当該受贈配偶者の配偶者又は当該受贈配偶者と同居するその者の親族であるときにおける当該土地等
 なお、この場合における土地等には、受贈配偶者の配偶者又は当該受贈配偶者と同居するその者の親族の有する借地権の設定されている土地(いわゆる底地)を含むものであるから留意する((3)において同じ。)。
(3) 受贈配偶者が店舗兼住宅の用に供する家屋の存する土地等のみを取得した場合で、当該受贈配偶者が当該家屋のうち住宅の部分に居住し、かつ、当該家屋の所有者が当該受贈配偶者の配偶者又は当該受贈配偶者と同居するその者の親族であるときにおける当該居住の用に供している部分の土地等

(店舗兼住宅等の居住用部分の判定)

21の6‐2 受贈配偶者の居住の用に供している家屋のうちに居住の用以外の用に供されている部分のある家屋及び当該家屋の敷地の用に供されている土地等(以下21の6‐3において「店舗兼住宅等」という。)に係る21の6‐1に定めるその居住の用に供している部分は、次により判定するものとする。
(1) 当該家屋のうちその居住の用に供している部分は、次の算式により計算した面積に相当する部分とする。

当該家屋のうちその居住の用に専ら供している部分の床面積(A) 当該家屋のうちその居住の用と居住の用以外の用とに併用されている部分の床面積(B) ×
当該家屋の床面積 -B

(2) 当該土地等のうちその居住の用に供している部分は、次の算式により計算した面積に相当する部分とする。

当該土地等のうちその居住の用に専ら供している部分の面積 当該土地等のうちその居住の用と居住の用以外の用とに併用されている部分の面積 × 当該家屋の面積のうち(1)の算式により計算した面積
当該家屋の床面積

(店舗兼住宅等の持分の贈与があった場合の居住用部分の判定)

21の6‐3 配偶者から店舗兼住宅等の持分の贈与を受けた場合には、21の6‐2により求めた当該店舗兼住宅等の居住の用に供している部分の割合にその贈与を受けた持分の割合を乗じて計算した部分を居住用不動産に該当するものとする。
 ただし、その贈与を受けた持分の割合が21の6‐2により求めた当該店舗兼住宅等の居住の用に供している部分(当該居住の用に供している部分に受贈配偶者とその配偶者との持分の割合を合わせた割合を乗じて計算した部分をいう。以下21の6‐3において同じ。)の割合以下である場合において、その贈与を受けた持分の割合に対応する当該店舗兼住宅等の部分を居住用不動産に該当するものとして申告があったときは、法第21条の6第1項の規定の適用に当たってはこれを認めるものとする。また、贈与を受けた持分の割合が21の6‐2により求めた当該店舗兼住宅等の居住の用に供している部分の割合を超える場合におけるその居住の用に供している部分についても同様とする。
(注) 相続の開始の年に当該相続に係る被相続人から贈与により取得した居住用不動産で特定贈与財産に該当するものについて法第21条の6第1項の規定を適用する場合において、19‐10により21の6‐3のただし書に準じて当該居住用不動産に該当する部分の計算を行っているときは、同項の適用を受ける居住用不動産は21の6‐3のただし書により計算するものとする。

(家屋の増築)

21の6‐4 法第21条の6第1項に規定する「取得」には、家屋の増築を含むものとする。

(居住用不動産と同時に居住用不動産以外の財産を取得した場合)

21の6‐5 配偶者から贈与により取得した金銭及び当該金銭以外の資金をもって、居住用不動産と同時に居住用不動産以外の財産を取得した場合には、法第21条の6第1項の規定の適用上、当該金銭はまず居住用不動産の取得に充てられたものとして取り扱うことができるものとする。

(適用の順序)

21の6‐6 法第21条の6第1項の規定の適用を受ける場合には、贈与税の基礎控除に先立って贈与税の配偶者控除を行うのであるから留意する。

(贈与税の配偶者控除の場合の婚姻期間の計算)

21の6‐7 法第21条の6に規定する婚姻期間を計算する場合において、その計算した婚姻期間に1年未満の端数があるときであっても、その端数を切り上げないのであるから留意する。したがって、その婚姻期間が19年を超え20年未満であるときは、贈与税の配偶者控除の適用がない。

(法第21条の6第1項に規定する「当該配偶者」の意義)

21の6‐8 法第21条の6第1項に規定する「当該配偶者」とは、今回の贈与者である配偶者をいうのであるから留意する。

(信託財産である居住用不動産についての贈与税の配偶者控除の適用)

21の6‐9 受贈配偶者の取得した信託に関する権利(法第9条の2第6項ただし書に規定する信託に関する権利及び法第9条の4第1項又は第2項の規定により贈与により取得したものとみなされる信託に関する権利を除く。)で、当該信託の信託財産に属する資産が次に掲げるいずれかのものである場合には、当該信託に関する権利(次に掲げるいずれかのものに対応する部分に限る。)は、居住用不動産に該当することに留意する。
(1) 当該信託の信託財産に属する土地等又は家屋が居住用不動産に該当するもの
(2) 当該信託の委託者である受贈配偶者が信託した金銭により、当該信託の受託者が、信託財産として取得した土地等又は家屋(当該信託の委託者である受贈配偶者が信託した金銭法第21条の6第1項に規定する配偶者から贈与により取得した金銭に限る。により取得したもので、かつ、当該金銭に対応する部分に限る。)が居住用不動産に該当するもの
   この場合において、受贈配偶者が、法第21条の6第2項の規定により贈与税の申告書に添付すべき法施行規則第9条第2号に掲げる居住用不動産に関する登記事項証明書その他の書類で当該贈与を受けた者が当該居住用不動産を取得したことを証するものについては、上記(1)の場合には、当該土地等又は家屋に係る信託目録が含まれた登記事項証明書その他の書類で不動産登記法(平成16年法律第123号)第97条第1項各号に掲げる事項を明らかにするもの、上記(2)の場合には、当該信託の受託者が信託財産として当該土地又は家屋を取得したことを明らかにするものが必要であることに留意する。

(贈与税額の端数処理)

21の7‐1 その年において贈与により取得した財産に係る贈与税の税額を計算する場合において、暦年課税において計算された贈与税額と相続時精算課税において計算された贈与税額との合計額に100円未満の端数があるとき又はその全額が100円未満であるときは、その端数金額又はその全額を切り捨てるのであるから留意する。

(邦貨換算の取扱いの準用)

21の8‐1 法第21条の8の規定による控除税額を計算する場合におけるその地の法令により課された贈与税に相当する税の邦貨換算については、20の2‐1の取扱いに準ずるものとする。

(税額控除の適用区分)

21の8‐2 法第21条の8の規定は、暦年課税(措置法70条の2の5第3項の場合には、同項各号に掲げる金額の別)又は相続時精算課税(相続時精算課税に係る特定贈与者が2以上ある場合には、当該特定贈与者の別)の別にそれぞれ適用するものとする。

(「当該財産の価額」等の意義)

21の8‐3 法第21条の8に規定する「当該財産の価額」及び「課税価格に算入された財産の価額」とは、暦年課税においては贈与税の配偶者控除及び贈与税の基礎控除前の当該財産の価額、相続時精算課税においては法第21条の12第1項に規定する特別控除額の控除前の当該財産の価額をいうものとする。