(相続税額が10万円を超えるかどうかの判定)

38‐1 法第38条第1項に規定する「納付すべき相続税額が10万円を超え」るかどうかは、期限内申告書、期限後申告書又はこれらの申告書に係る修正申告書により申告された相続税額若しくは更正又は決定により納付すべき相続税額のそれぞれについて各別に判定するのであるから留意する。
 また、同条第3項に規定する「納付すべき贈与税額が10万円を超え」るかどうかの判定についても、これに準ずるのであるから留意する。

(延納の許可限度額の計算)

38‐2 法施行令第12条に規定する延納の許可限度額の算出方法を算式で示せば、次のとおりである。
 A-{(B+C+D)-([E×3]+F)}
(注) 算式中の符号は次のとおりである。
Aは、法施行令第12条第1項第1号に掲げる額
Bは、納税義務者がAに係る納期限又は納付すべき日において有する現金の額。
 なお、ここにいう現金とは、強制通用力を有する日本円を単位とする通貨のほか、証券ヲ以テスル歳入納付ニ関スル法律(大正5年法律第10号)により国税の納付に充てることのできる証券を含むものとする。
Cは、納税義務者がAに係る納期限又は納付すべき日において有する預貯金の額。
 なお、ここにいう預貯金とは、法第10条第1項第4号に規定する金融機関等に対する預金、貯金、積金、寄託金又は貯蓄金をいう。
Dは、納税義務者がAに係る納期限又は納付すべき日において有する換価の容易な財産の価額。
 なお、ここにいう換価の容易な財産とは、次のような財産をいう。
・ 評価が容易であり、かつ、市場性のある財産で速やかに売却等の処分をすることができるもの
・ 納期限又は納付すべき日において確実に取り立てることができると認められる債権
・ 積立金・保険等の金融資産で容易に契約が解除でき、かつ、解約等による負担が少ないもの
 おって、許可限度額の計算に当たっては、納期限又は納付すべき日における当該財産の時価(又は債権額)相当額により行うものとする。
Eは、生活のため通常必要とされる1月分の費用。
 なお、生活のため通常必要とされる1月分の費用とは、次の①の額から②の額を控除した額とする。
① 国税徴収法(昭和34年法律第147号)第76条第1項第1号から第4号までの規定に基づき算出される金額相当額(前年の収入金額、所得税、地方税及び社会保険料の額に1/12を乗じた額に基づき計算するものとする。なお、申請者が給与所得者でない場合は、その事業等に係る収入金額等を給与等とみなして計算するものとする。)に治療費、養育費、教育費並びに申請者及び申請者と生計を一にする配偶者その他の親族の資力・職業・社会的地位等の個別事情を勘案して社会通念上適当と認められる範囲の金額を加味した額
② 申請者と生計を一にしている収入のある配偶者及び申請者(配偶者を含む。)の扶養控除の対象とならない親族に係る生活費の額並びに申請者(配偶者を含む。)の扶養控除の対象となる親族に係る生活費の額のうち配偶者が負担する額
 (注) ①の額に申請者及び申請者と生計を一にする配偶者その他の親族の1月分収入額の合計額に占める申請者の1月分収入額の割合を乗じた額を用いて差し支えない。
Fは、事業の継続のために当面必要な運転資金の額。
 なお、事業の継続のために当面必要な運転資金の額とは、事業の内容に応じた事業資金の循環期間の中で事業経費の支払や手形等の決済のための資金繰りが最も窮屈になる日のために留保を必要とする資金の額をいい、Aに係る納期限又は納付すべき日の翌日から資金繰りの最も窮屈になると見込まれる日までの期間の総支出見込金額から総収入見込金額を差引いた額(前年同時期の事業の実績を踏まえて推計した額による。)とする。
(注) 前年の申告所得税の確定申告等に係る収支内訳書等から求めた1年間の事業に係る経費の中から、臨時的な支出項目及び減価償却費を除いた額を基礎とし、最近の事業の実績に変動がある場合には、その実績を踏まえて算出した額を加味した額に1/12(商品の回転期間が長期にわたること等の場合は事業の実態に応じた月数/12月)を乗じた額を用いて差し支えない。

(相続又は遺贈により取得した財産に含める贈与財産)

38‐3 法第19条の規定により相続税の課税価格に加算される贈与財産で法第21条の2第4項の規定の適用があるもののうちに不動産、立木等法施行令第13条に規定する財産がある場合においては、当該財産は、法第38条第1項に規定する「相続又は遺贈により取得した財産」に含むのであるから留意する。
 また、相続開始の年において、特定贈与者である被相続人からの贈与により取得した相続時精算課税の適用を受ける財産のうちに不動産、立木等法施行令第13条に規定する財産がある場合についても、これに準ずるのであるから留意する。

(たな卸資産である不動産)

38‐4 法第38条に規定する「不動産」には、たな卸資産である不動産を含むのであるから留意する。

(連帯納付義務者の延納等)

38‐5 法第38条の相続税及び贈与税の延納の規定には、連帯納付の責に任ずる者のその責に任ずべき金額については適用がないのであるから留意する。
 また、期限後申告又は修正申告若しくは更正又は決定により納付すべき相続税額に併せて納付すべき延滞税又は加算税についても適用がないのであるから留意する。

(延納期間の計算)

38‐6 法第38条第1項又は第3項の規定による延納期間は、法第33条又は通則法第35条第2項に規定する納期限の翌日から暦に従って計算するのであるから留意する。

(不動産等の価額の計算)

38‐7 法第38条第1項前段のかっこ書の規定により、延納期間を延長することができる場合の「不動産等の価額」を計算するに当たり、法施行令第13条の「事業用の減価償却資産」とは、被相続人の事業の用に供されていた所得税法第2条第1項第19号に規定する減価償却資産をいうのであるから留意する。

(不動産等の割合を計算する場合の端数処理)

38‐8 法第38条第1項に規定する「課税相続財産の価額」及び「不動産等の価額」並びに「不動産等の価額が占める割合」を計算するに当たり、当該価額及び割合の端数処理は次により行うのであるから留意する。
(1) 不動産等の価額の占める割合が10分の5以上であるか否かについては、端数処理を行わずに判定する。
(2) (1)により判定した結果、不動産等の価額の占める割合が10分の5以上である場合において、同項前段のかっこ書の規定を適用するときには、次により端数処理を行う。
① それぞれの価額に1,000円未満の端数がある場合には、それぞれその端数を切り捨てる。
② 割合については、小数点以下第3位未満の端数があるときは、その端数を切り上げて計算する。
(注) 課税相続財産の価額のうちに、措置法第70条の8の2又は第70条の10の適用を受ける価額がある場合、これに準じて端数処理を行うのであるから留意する。

(代償分割が行われた場合の不動産等の割合の計算)

38‐9 代償分割の方法により相続財産の全部又は一部の分割が行われた場合における法第38条第1項に規定する「不動産等の価額が占める割合」の計算は、次に掲げる者の区分に応じ、それぞれ次に掲げるところによるものとする。
(1) 代償財産の交付を受けた者 相続又は遺贈により取得した現物の財産の価額と交付を受けた代償財産の価額との合計額をもって計算する。
(2) 代償財産の交付をした者 相続又は遺贈により取得した財産中、代償分割の対象とならなかった財産の価額と代償分割の対象となった財産の価額から代償財産の価額に相当する金額をそれぞれの種類ごとに控除して計算した価額との合計額をもって計算する。この場合、当該代償分割が包括的に行われた場合には、その代償財産の価額は、代償分割の対象となった財産の価額によってあん分して計算した額による。

(贈与税の延納期間)

38‐10 贈与税の延納期間は、納税義務者の申請に基づき、その者の事業の継続又は生活の状況等を考慮し、5年の範囲内で適当と認められる期間を定めるものとする。

(贈与税の延納年割額)

38‐11 法第38条第2項の延納年割額に関する規定は、贈与税の年賦延納については適用がないのであるから留意する。

(延納の申請期限)

39‐1 相続税又は贈与税の延納申請書は、延納を求めようとする相続税又は贈与税の納期限までに又は納付すべき日に提出しなければならないのであるが、この場合の提出期限は具体的には次に掲げる期限又は日となるのであるから留意する。
(1) 期限内申告書又は法第31条第2項の規定による修正申告書の提出により法第33条の規定により納付する相続税額又は贈与税額 これらの申告書の提出期限
(2) 期限後申告書又は修正申告書(法第31条第2項の規定による修正申告書を除く。)の提出により通則法第35条第2項第1号の規定により納付する相続税額又は贈与税額 これらの申告書の提出の日
(3) 更正又は決定により通則法第35条第2項第2号の規定により納付する相続税額又は贈与税額 その更正通知書又は決定通知書が発せられた日の翌日から起算して1月を経過する日

(取引相場のない株式の延納担保)

39‐2 相続若しくは遺贈又は贈与により取得した取引相場のない株式を担保とした延納申請があった場合において、次のいずれかに該当する事由があるときは、当該株式を延納の担保として認めることができる。
(1) 相続若しくは遺贈又は贈与により取得した財産のほとんどが取引相場のない株式であり、かつ、当該株式以外に延納の担保として提供すべき適当な財産がないと認められること。
(2) 取引相場のない株式以外に財産があるが、当該財産が他の債務の担保となっており、延納の担保として提供することが適当でないと認められること。

(許可前納付があった場合の延納の許可)

39‐3 延納の許可に当たり、既にその申請に係る分納税額として納付された額がある場合には、その納付額相当額を含めて延納を許可するものとする。
 この場合、その納付された額についても、利子税を徴収することとなることに留意する。

(分納税額の納期限を経過した後に延納する場合の取扱い)

39‐4 延納申請に係る相続税の分納税額の全部又は一部について当該申請に係る分納税額の納期限を経過した後に延納を許可する場合においては、原則として、当該申請どおり許可し、当該許可をした延納税額のうち既に分納税額の納期限が経過しているものについては当該許可の日から1月以内の日をその分納税額の納期限とするものとする。
(注) この場合において、法第39条第22項の規定の適用があるときの利子税については、法第52条第5項の規定の適用があることに留意する。

(物納申請の却下等がされた後に延納する場合の取扱い)

39‐5 相続税額の一部について延納申請がなされ、他の一部につき物納申請税額又は納税猶予税額(措置法第70条の6第1項、第70条の6の6第2項第5号、第70条の6の7第2項第6号、第70条の6の10第2項第3号、第70条の7の2第2項第5号、第70条の7の4第2項第4号、第70条の7の6第2項第8号、第70条の7の8第2項第4号又は第70条の7の12第2項に規定する納税猶予分の相続税の額をいう。以下同じ。)がある場合において、当該延納申請を許可する時までに、①物納申請が却下又は取り下げられているとき若しくは取り下げられたとみなされているとき、②納税猶予が認められないこととなっているときは、法第38条第1項の延納を許可することができる期間及び第2項の延納年割額の計算に当たっては、これらの物納申請又は納税猶予はなかったものとして計算したところにより、延納を許可するものとする。
 また、同条第3項に規定する贈与税額の一部について延納申請がなされ、他の一部につき措置法第70条の4第1項、第70条の6の8第2項第3号、第70条の7第2項第5号、第70条の7の5第2項第8号又は第70条の7の9第1項に規定する納税猶予を受けようとする贈与税額がある場合についても、これに準ずるものとする。

(担保が適当でないと認めるとき)

39‐6 法第39条第2項ただし書きにおける「担保が適当でないと認めるとき」には、担保として提供された財産の価額が延納税額(利子税を含む。)に不足すると認められるため、追加の担保の提供を求める場合を含むのであるから留意する。

(担保提供関係書類提出期限延長届出書等の提出時期

39‐7 担保提供関係書類を法第39条第7項の担保提供関係書類提出期限までに提出することができないため、同条第8項により読み替えて同条第6項を適用する場合の担保提供関係書類提出期限延長届出書は、同条第7項の担保提供関係書類の提出期限までに提出するのであるから留意する。
2 担保提供関係書類を法第39条第14項の担保提供関係書類補完期限までに提出することができないため、同条第15項により読み替えて同条第13項を適用する場合の担保提供関係書類補完期限延長届出書は、同条第14項の担保関係書類の補完期限までに提出するのであるから留意する。
3 担保提供関係書類を法第39条第19項の変更担保提供関係書類提出期限までに提出することができないため、同条第20項により読み替えて同条第18項を適用する場合の変更担保提供関係書類提出期限延長届出書は、同条第19項の担保関係書類の提出期限までに提出するのであるから留意する。

(担保提供関係書類提出期限延長期限等の最大延長可能日)

39‐7の2 法第39条第22項第2号の適用における同条第8項ただし書、第15項ただし書又は第20項ただし書の規定による担保提供関係書類の訂正又は提出の期限は、次に掲げる日の翌日から起算して6月に同条第22項第2号に規定する期間を加算した期間を経過する日までとなることに留意する。
① 法第39条第8項ただし書・・・同条第1項の申請書の提出期限
② 法第39条第15項ただし書・・・同条第11項の規定による通知を受けた日
③ 法第39条第20項ただし書・・・同条第4項の規定による通知を受けた日

(延長された提出期限までに担保提供関係書類の提出等がない場合)

39‐8 法第39条第7項(同条第8項により読み替えて適用する場合を含む。)の規定により延長された担保提供関係書類の提出期限までに、当該申請者が担保提供関係書類の提出をしなかったときは、法第39条第2項の規定により延納の申請を却下するのであるから留意する。

(延長された補完期限までに担保提供関係書類の訂正等がない場合)

39‐9 法第39条第14項(同条第15項により読み替えて適用する場合を含む。)の規定により延長された担保提供関係書類の補完期限までに、当該申請者が担保提供関係書類の訂正又は提出をしなかったときは、法第39条第2項の規定により延納の申請を却下するのであるから留意する。

(延長された変更期限までに変更担保提供関係書類の提出等がない場合)

39‐10 法第39条第19項(同条第20項により読み替えて適用する場合を含む。)の規定により延長された変更担保提供関係書類の提出期限までに、当該申請者が変更担保提供関係書類の提出をしなかったときは、法第39条第2項の規定により延納の申請を却下するのであるから留意する。

(延納の許可の申請に係る手続を行う者)

39‐10の2 法施行令第16条の2第1項第1号に規定する「延納の許可の申請に係る手続を行う者」とは、法第39条第1項の規定による延納の許可の申請を行った者(納税義務者)をいい、当該申請を行った者が死亡したことにより当該申請者としての地位を承継した者を含むものであることに留意する。

(法施行令第16条の2第1項第2号の「不服申立て」)

39‐10の3 法施行令第16条の2第1項第2号の「不服申立て」とは、法第39条第10項に規定する処分については、第12項に規定する期限までに行われた不服申立てに限られるのであるから留意する。
(注) 法第39条第12項に規定する期限を経過した場合、延納申請は取り下げたものとみなされることに留意する。

(処分があった日)

39‐10の4 法施行令第16条の2第3項第2号に規定する「処分があった日」とは、延納の許可の申請に係る処分に係る書類を発した日をいうことに留意する。

(法第39条第22項各号の重複)

39‐10の5 法第39条第22項各号の適用において、延納の許可の申請に係る手続の期限内に同項各号に掲げる場合が複数生じた場合における延納の許可の申請に係る手続の期限は、通則法第11条による延長後の期限又は法第39条第22項第2号による延長後の期限のいずれか遅い日となることに留意する。
2 延納の許可の申請に係る手続の期限内において、法第39条第22項各号に掲げる場合が生じ延納の許可の申請に係る手続の期限が延長(以下2において「一次延長」という。)された場合において、その延長された手続の期間中に法施行令第16条の2第1項第1号に掲げる事由が生じたときにおける同条第2項各号の期限は、同条第1項第1号の者が死亡した日の翌日から同日以後10月を経過する日と同条第1項第1号の者が死亡した日の翌日から当該者の相続財産について民法第952条第2項の規定による公告があった日のいずれか遅い日(以下2において「二次延長の期限」という。)となることに留意する。この場合における延納の許可の申請に係る延長後の手続の期限は、一次延長の期限と二次延長の期限のいずれか遅い日となることに留意する。
3 法第39条第22項各号の適用において、同項各号に掲げる場合が複数生じた場合における同条第8項ただし書、第15項ただし書又は第20項ただし書に規定する担保提供関係書類の訂正又は提出の期限は、39‐7の2の①~③に掲げる日の翌日から起算して6月に、先に生じた法第39条第22項各号に掲げる場合に係る災害等延長期間等(法第39条第22項第1号の規定により読み替えて適用する同条第8項ただし書に規定する災害等延長期間又は同条第22項第2号に規定する期間をいう。以下第39条関係において同じ。)と、後に生じた同項各号に掲げる場合に係る災害等延長期間等のうち先に生じた同項各号に掲げる場合に係る災害等延長期間等と重複する期間を除いた期間を加算した日を経過する日までとなることに留意する。
(注) 法第39条第22項各号の適用期間の全部又は一部が重複する場合の取扱いについて、設例を基に示せば、次のとおりである。
設例1 担保提供関係書類提出延長期限(当初)までに、通則法第11条に規定する災害その他やむを得ない理由が生じ、かつ、延納申請者が死亡した(法施行令第16条の2第1項第1号に掲げる事由が生じた)場合において、通則法第11条により延長された期限(以下「通11条期限」といい、第39条関係において同じ。)より延納申請者が死亡した日の翌日から10月を経過する日が遅い場合

   上記の場合において、通11条期限()より法第39条第22項第2号適用後の担保提供関係書類提出延長期限()が遅いことから、法第39条第22項適用後の担保提供関係書類提出延長期限は法第39条第22項第2号適用後の担保提供関係書類提出延長期限()となる。
 また、延納申請者の死亡の日の翌日から通11条期限までの期間が、法第39条第22項第1号と同項第2号(法施行令第16条の2第3項第1号)の規定の適用において重複することから、法第39条第22項第1号及び第2号適用による同条第8項ただし書の担保提供関係書類提出期限(最大延長可能日)は、延納申請期限(法第39条第1項の申請書の提出期限)の翌日から起算して6月に、災害等延長期間(A期間)と令第16条の2第3項第1号の適用期間(B期間)のうち災害等延長期間(A期間)と重複する期間を除いた期間(C期間)を加算した日(法第39条第22項適用後の同条第8項ただし書の担保提供関係書類提出期限最大延長可能日。③)となる。
設例2 担保提供関係書類提出延長期限(当初)までに、通則法第11条に規定する災害その他やむを得ない理由が生じ、かつ、延納申請者が死亡した(法施行令第16条の2第1項第1号に掲げる事由が生じた)場合において、通11条期限より延納申請者が死亡した日の翌日から10月を経過する日が早い場合

   上記の場合において、通11条期限()より法第39条第22項第2号適用後の担保提供関係書類提出延長期限()が遅いことから、法第39条第22項適用後の担保提供関係書類提出延長期限は法第39条第22項第2号適用後の担保提供関係書類提出延長期限()となる。
 また、延納申請者の死亡の日の翌日から10月を経過する日までの期間の全てが、法第39条第22項第1号と同項第2号(法施行令第16条の2第3項第1号)の規定の適用において重複することから、法第39条第22項第1号及び第2号の規定の適用による同条第8項ただし書の担保提供関係書類提出期限(最大延長可能日)は、延納申請期限(法第39条第1項の申請書の提出期限)の翌日から起算して6月に、災害等延長期間(D期間)を加算した日(法第39条第22項適用後の同条第8項ただし書の担保提供関係書類提出期限最大延長可能日。⑥)となる(同項第2号法施行令第16条の2第3項第1号の適用による加算期間がない。)。

(調査に3月を超える期間を要すると認めるとき)

39‐11 法第39条第23項に規定する「当該調査に三月を超える期間を要すると認めるとき」とは、次のようなものをいうのであるから留意する。
① 担保財産が多数ある場合
② 担保財産が遠隔地にある場合
③ 非上場株式や保証人の保証など担保財産の評価に相当の期間を要する場合
④ 自然災害等により担保財産の確認等が困難な場合(当該自然災害について法第39条第24項の規定の適用がある場合を除く。

(税務署長の調査期間に係る災害等延長期間等の重複)

39‐11の2 法第39条第24項の適用において、同条第22項各号に掲げる場合が複数生じた場合は、3月(法第39条第23項の規定の適用がある場合には6月)に、先に生じた同条第22項各号に掲げる場合に係る災害等延長期間等の期間と、後に生じた同項各号に掲げる場合に係る災害等延長期間等のうち先に生じた同項各号に掲げる場合に係る災害等延長期間等と重複する期間を除いた期間を加算した期間内となることに留意する。

(法第39条第22項の規定の適用がある場合)

39‐11の3 法第39条第25項の「第22項の規定の適用がある場合」には、同条第5項及び第12項に規定する期限が通則法第11条の規定により延長された場合を含むものとする。
 なお、申請者が通則法第11条に規定する災害その他やむを得ない理由が生じた日以後に法第39条第4項又は第11項の通知を受けた場合における同日から当該通知を受けた日までの期間は、同条第24項の規定の適用があることに留意する。
(注) 通則法第11条に規定する災害その他やむを得ない理由が生じた日以後に法第39条第4項又は第11項の通知を受けた場合の取扱いについて、設例を基に示せば、次のとおりである。
設例 通則法第11条の延長期間中に法第39条第10項の補完通知を受領した場合

   上記の場合において、通則法第11条の延長期間のうち、同条に規定する災害その他やむを得ない理由が生じた日から法第39条第11項の通知を受領した日までの期間が、同条第24項の適用期間となる。

(延納の許可があったものとみなされた場合の担保権の設定手続き等)

39‐12 法第39条第28項の規定により、延納の許可があったものとみなされた場合において、申請者が当該許可に係る担保権の設定に必要な手続を了しているときは速やかに担保権の設定を行うのであるから留意する。
 なお、延納申請書に記載された担保に係る担保提供関係書類が提出されていない場合には、申請者にその提出を求め、当該担保提供関係書類の提出が行われない場合には、法第40条第2項の規定によりあらかじめその申請者から弁明を聴いた上で当該延納許可を取り消すことができるのであるから留意する。

(「当該申請に係る条件」の意義)

39‐13 法第39条第28項の規定により、延納の許可があったものとみなされた場合の、当該申請に係る条件とは、延納申請書に記載された延納期間、分納期限及び分納税額(不動産対応部分と動産等対応部分に区分した各税額)をいい、これらが法第38条の規定によっていなかった場合であっても当該申請書に記載された条件により許可したものとしてみなされるのであるから留意する。

(延納条件の変更の範囲)

39‐14 法第39条第30項の規定は、延納の許可を受けた者が、延納の許可後資力の状況の変化等により許可に係る延納の条件ではその履行が困難である場合などにおいて、分納期限が到来していない分納税額について延納の条件の変更を求めることができるという趣旨であるから留意する。
 ただし、分納期限が経過しても分納税額の履行がない場合で、その不履行が一時的な資金繰りの悪化によるものであるときは、当該延納の許可を受けた者の弁明を聴いた上で、当該分納期限経過後おおむね2月以内に、延納の条件を変更しても差し支えないものとする。
 なお、延納の条件を変更する範囲は次のとおりである。
(1) 分納期限の延長 分納期限を延長する変更については、次回の分納期限(当初の延納の許可に係る分納期限)の前日までを限度とする。
(2) 分納期限の再延長 分納期限を延長した後においても、当該延長に係る延納の条件の変更事由が継続するなどやむを得ない事情が存する場合には、当該延長後の分納期限について、次回の分納期限(最初の延長に係る分納期限)の前日まで延長(再延長)しても差し支えない。
(注) 分納期限の延長、再延長について図示すると次のとおりである。

(3) 延納期間の延長 延納の申請に基づいて許可された延納期間(年数)については、当該申請者について申請当時法律上延納できることとされている期間(年数)まで延長できるものとする。
(4) 延長できる最終の分納期限 (1)から(3)により延長できる最終の分納期限は、当該延納の許可を受けた者について法律上延納できることとされている最終納期限を限度とする。

(延納条件の変更と担保)

39‐15 法第39条第30項の規定により延納の条件を変更する場合において、提供されている担保物の価額が条件変更後の延納税額を担保するのに不十分であると認められるときは、通則法第51条第1項(担保の変更等)の規定による増担保の提供等の命令を行うものであるから留意する。

(延納期間の短縮等)

39‐16 法第39条第32項の規定は、税務署長が延納の許可を受けた者から資力の状況の変化等について弁明を聴いた上で、その弁明に係る事情を考慮して、延納許可の取消し又は延納条件の変更の処分をする必要があると認める場合においてだけ当該処分をすることができるという趣旨であるから留意する。
 なお、延納の許可を受けた者に対して期限を定めて弁明を求めた場合において、当該期限までに正当な理由がなく弁明をしないときは、弁明を聴くことなく当該処分をするものとする。

(弁明の方法)

39‐17 法第39条第32項に規定する「弁明」の方法は、口頭又は書面のいずれによるも差し支えないものとするが、口頭による場合においては後日の紛争を避ける等のため、聴取書を作成する等その事績を明らかにしておくものとする。