未成年者控除

(未成年者控除)

19の3‐1 法第19条の3第1項の未成年者控除の規定は、財産を取得した者が相続を放棄したことにより相続人に該当しないこととなった場合においても、その者が無制限納税義務者で20歳未満の者に該当し、かつ、当該被相続人の民法第5編第2章の規定による相続人(相続の放棄があった場合には、その放棄がなかったものとした場合における相続人)に該当するときは、適用があることに留意する。

(婚姻した者の未成年者控除)

19の3‐2 法第19条の3第1項の未成年者控除の規定は、民法第753条《婚姻による成年擬制》の規定により成年に達したものとみなされた者についても適用があるのであるから留意する。

(胎児の未成年者控除)

19の3‐3 民法第886条に規定する胎児が生きて生まれた場合におけるその者の未成年者控除額は、200万円となるのであるから留意する。

(未成年者に相続税額がない場合の未成年者控除)

19の3‐4 相続又は遺贈により財産を取得した者(制限納税義務者を除く。)が当該相続に係る被相続人の民法第5編第2章の規定による相続人(相続の放棄があった場合には、その放棄がなかったものとした場合における相続人)に該当し、かつ、20歳未満の者である場合においては、その者について法第15条から第19条の2までの規定により算出した相続税額がない場合においても、その者に係る未成年者控除額は、法第19条の3第2項の規定によりその者の扶養義務者の相続税額から控除するものとする。

(法第19条の3第3項に規定する「第1項の規定による控除を受けることができる金額」の意義)

19の3‐5 法第19条の3第3項に規定する「第1項の規定による控除を受けることができる金額」とは、相続又は遺贈により財産を取得した者(制限納税義務者を除く。)が当該相続の前に開始した相続(当該開始した相続が2回以上あった場合には、最初の相続。以下19の3‐5において同じ。)によって財産を取得した際に控除することができる未成年者控除額をいうのであるから留意する。
(注) 上記の「控除することができる未成年者控除額」は、当該相続の前に開始した相続が平成26年以前であっても、平成25年法律第5号附則第12条の規定により、現行の法第19条の3第1項の規定を適用し、当該相続の前に開始した相続の際のその者が20歳に達するまでの年数1年につき10万円の割で計算することとされている。

(死亡している相続時精算課税適用者からの未成年者控除)

19の3‐6 被相続人である特定贈与者よりも先に相続が開始した相続時精算課税適用者については、法第19条の3第2項の規定の適用はないのであるから留意する。

(一般障害者の範囲)

19の4‐1 法施行令第4条の4第4項に規定する「一般障害者」とは、次に掲げる者をいうのであるから留意する。
(1) 児童相談所、知的障害者更生相談所(知的障害者福祉法昭和35年法律第37号第9条第6項《更生援護の実施者》に規定する知的障害者更生相談所をいう。以下19の4‐2までにおいて同じ。)、精神保健福祉センター(精神保健及び精神障害者福祉に関する法律昭和25年法律第123号第6条第1項《精神保健福祉センター》に規定する精神保健福祉センターをいう。以下次項において同じ。)若しくは精神保健指定医の判定により知的障害者とされた者のうち重度の知的障害者とされた者以外の者
(2) 精神保健及び精神障害者福祉に関する法律第45条第2項《精神障害者保健福祉手帳》の規定により交付を受けた精神障害者保健福祉手帳(以下19の4‐3までにおいて「精神障害者保健福祉手帳」という。)に障害等級が2級又は3級である者として記載されている者
(3) 身体障害者福祉法(昭和24年法律第283号)第15条第4項《身体障害者手帳》の規定により交付を受けた身体障害者手帳(以下19の4‐3までにおいて「身体障害者手帳」という。)に身体上の障害の程度が3級から6級までである者として記載されている者
(4) (1)、(2)又は(3)に掲げる者のほか、戦傷病者特別援護法(昭和38年法律第168号)第4条《戦傷病者手帳の交付》の規定により交付を受けた戦傷病者手帳(以下19の4‐3までにおいて「戦傷病者手帳」という。)に記載されている精神上又は身体上の障害の程度が次に掲げるものに該当する者
イ 恩給法(大正12年法律第48号)別表第1号表ノ2の第4項症から第6項症までの障害のあるもの
ロ 恩給法別表第1号表ノ3に定める障害があるもの
ハ 傷病について厚生労働大臣が療養の必要があると認定したもの
ニ 旧恩給法施行令(大正12年勅令第367号、恩給法施行令の一部を改正する勅令昭和21年勅令第504号による改正前のものをいう。)第31条第1項に定める程度の障害があるもの
(5) 常に就床を要し、複雑な介護を要する者のうち、精神又は身体の障害の程度が(1)又は(3)に掲げる者に準ずるものとして市町村長又は特別区の区長(社会福祉法昭和26年法律第45号に定める福祉に関する事務所が老人福祉法昭和38年法律第133号第5条の4第2項各号《福祉の措置の実施者》に掲げる業務を行っている場合には、当該福祉に関する事務所の長。以下「市町村長等」という。)の認定を受けている者
(6) 精神又は身体に障害のある年齢65歳以上の者で、精神又は身体の障害の程度が(1)又は(3)に掲げる者に準ずるものとして市町村長等の認定を受けている者

(特別障害者の範囲)

19の4‐2 法施行令第4条の4第4項に規定する「特別障害者」とは、次に掲げる者をいうのであるから留意する。
(1) 精神上の障害により事理を弁識する能力を欠く常況にある者又は児童相談所、知的障害者更生相談所、精神保健福祉センター若しくは精神保健指定医の判定により重度の知的障害者とされた者
(2) 精神障害者保健福祉手帳に障害等級が1級である者として記載されている者
(3) 身体障害者手帳に身体上の障害の程度が1級又は2級である者として記載されている者
(4) (1)、(2)又は(3)に掲げる者のほか、戦傷病者手帳に精神上又は身体上の障害の程度が恩給法別表第1号表ノ2の特別項症から第3項症までである者として記載されている者
(5) (3)及び(4)に掲げる者のほか、原子爆弾被爆者に対する援護に関する法律(平成6年法律第117号)第11条第1項《認定》の規定による厚生労働大臣の認定を受けている者
(6) 常に就床を要し、複雑な介護を要する者のうち、精神又は身体の障害の程度が(1)又は(3)に掲げる者に準ずるものとして市町村長等の認定を受けている者
(7) 精神又は身体に障害のある年齢65歳以上の者で、精神又は身体の障害の程度が(1)又は(3)に掲げる者に準ずるものとして市町村長等の認定を受けている者

(障害者として取り扱うことができる者)

19の4‐3 相続開始の時において、精神障害者保健福祉手帳の交付を受けていない者、身体障害者手帳の交付を受けていない者又は戦傷病者手帳の交付を受けていない者であっても、次に掲げる要件のいずれにも該当する者は、19の4‐1の(2)、(3)若しくは(4)に掲げる一般障害者又は19の4‐2の(2)、(3)若しくは(4)に掲げる特別障害者に該当するものとして取り扱うものとする。
(1) 当該相続に係る法第27条の規定による申告書を提出する時において、これらの手帳の交付を受けていること又はこれらの手帳の交付を申請中であること。
(2) 交付を受けているこれらの手帳、精神障害者保健福祉手帳の交付を受けるための精神保健及び精神障害者福祉に関する法律施行規則(昭和25年厚生省令第31号)第23条第1項第1号《精神障害者保健福祉手帳》に規定する医師の診断書若しくは同項第2号に規定する精神障害を支給事由とする給付を現に受けていることを証する書類又は身体障害者手帳若しくは戦傷病者手帳の交付を受けるための身体障害者福祉法第15条第1項若しくは戦傷病者特別援護法施行規則(昭和38年厚生省令第46号)第1条第4号《手帳の交付の請求》に規定する医師の診断書により、相続開始の時の現況において、明らかにこれらの手帳に記載される程度の障害があると認められる者であること。

(障害者控除額の計算例)

19の4‐4 相続又は遺贈(当該相続に係る被相続人からの贈与により取得した財産で相続時精算課税の適用を受けるものに係る贈与を含む。)により財産を取得した特別障害者が、当該相続の開始前に開始した相続の時に一般障害者として法第19条の4第1項の規定により障害者控除を受けていた場合において、同条第3項において準用する法第19条の3第3項の規定により、今回控除を受けることができる金額の算出方法を算式で示せば、次のとおりである。
 {20万円×85-Y+10万円×Y-X}-A
(注) 算式中の符号は、次のとおりである。
Xは、初めて障害者控除の規定の適用を受ける一般障害者の当該相続(以下この(注)において「前の相続」という。)開始時の年齢
Yは、前の相続に係る相続税額の計算上障害者控除の規定の適用を受けた者の今回の相続開始時の年齢
Aは、前の相続に係る相続税額の計算上控除を受けた障害者控除額

(障害者控除のための計算期間の端数処理)

19の4‐5 法施行令第4条の4第4項第2号に規定する「当該前の相続開始の時から前号の相続開始の時までの期間に相当する年数」又は「当該前の相続開始の時から同条の規定の適用に係るその直後の相続開始の時までの期間に相当する年数」が1年未満であるとき又はこれに1年未満の端数があるときは、これを1年とするのであるから留意する。

(死亡している相続時精算課税適用者の障害者控除)

19の4‐6 被相続人である特定贈与者よりも先に相続が開始した相続時精算課税適用者については、法第19条の4第1項及び同条第3項の規定により準用される法第19条の3第2項の規定の適用はないのであるから留意する。

(相続を放棄した者等の相次相続控除)

20‐1 相続を放棄した者及び相続権を失った者については、たとえその者について遺贈により取得した財産がある場合においても、相次相続控除の規定は適用されないのであるから留意する。

(「相続税の課税価格に算入される部分」等の意義)

20‐2 法第20条第1号及び第2号に規定する「相続税の課税価格に算入される部分」及び「相続税の課税価格計算の基礎に算入された部分」とは、債務控除をした後の金額をいうものとする。

(相次相続控除の算式)

20‐3 法第20条に規定する相次相続控除額の算出方法を算式で示すと、次に掲げるとおりであるから留意する。

A× (求めた割合が 100 を超えるときは、 100 とする。)× × 10-E =控除額
B-A 100 100 10

(注) 算式中の符号は、次のとおりである。
Aは、第二次相続に係る被相続人が第一次相続により取得した財産(当該第一次相続に係る被相続人からの贈与により取得した財産で相続時精算課税の適用を受けるものを含む。)につき課せられた相続税額(相続時精算課税の適用を受ける財産につき課せられた贈与税があるときは、当該課せられた贈与税の税額法第21条の8の規定による控除前の税額とし、延滞税、利子税、過少申告加算税、無申告加算税及び重加算税に相当する税額を除く。を控除した後の金額をいう。
Bは、第二次相続に係る被相続人が第一次相続により取得した財産(当該第一次相続に係る被相続人からの贈与により取得した財産で相続時精算課税の適用を受けるものを含む。)の価額(債務控除をした後の金額
Cは、第二次相続により相続人及び受遺者の全員が取得した財産(当該相続に係る被相続人からの贈与により取得した財産で相続時精算課税の適用を受けるものを含む。)の価額(債務控除をした後の金額
Dは、第二次相続により当該控除対象者が取得した財産(当該相続に係る被相続人からの贈与により取得した財産で相続時精算課税の適用を受けるものを含む。)の価額(債務控除をした後の金額
Eは、第一次相続開始の時から第二次相続開始の時までの期間に相当する年数(1年未満の端数は切捨て

(第二次相続に係る被相続人の範囲)

20‐4 法第20条の規定は、第二次相続に係る被相続人がその相続の開始前10年以内に開始した相続(被相続人からの相続人に対する遺贈を含む。)によつて取得した財産(当該相続に係る被相続人からの贈与により取得した財産で相続時精算課税の適用を受けるものを含む。)につき課せられた相続税額について適用があるのであって、第二次相続に係る被相続人の被相続人が納付した相続税額については適用がないのであるから留意する。

(邦貨換算)

20の2‐1 法第20条の2の規定による控除税額は、法施行地外にある財産について、その地の法令により課された相続税に相当する税額を、その納付すべき日における対顧客直物電信売相場により邦貨に換算した金額によるものとする。ただし、送金が著しく遅延して行われる場合を除き、国内から送金する日の対顧客直物電信売相場によることができるものとする。

(「当該財産の価額」等の意義)

20の2‐2 法第20条の2に規定する「当該財産の価額」とは同条に規定する相続又は遺贈により取得した法施行地外にある財産の価額の合計額から当該財産に係る債務の金額を控除した額をいい、「課税価格計算の基礎に算入された部分」とは債務控除をした後の金額をいうものとする。

(相続税の税額控除等の順序)

20の2‐4 法第19条から第20条の2までの規定による相続税の税額控除等の順序は、次によるものであるから留意する。
(1) 法第19条第1項の規定により控除される贈与税額控除
(2) 配偶者に対する相続税額の軽減
(3) 未成年者控除
(4) 障害者控除
(5) 相次相続控除
(6) 在外財産に対する相続税額の控除
(注) 先順位の税額控除をして、相続税額が零となる場合又は当該税額控除の金額が控除しきれない場合は、後順位の税額控除をすることなく、その者の納付すべき相続税額はないものとなる。